知られたことのない星座 > the Echoes

2001/08/30 「The Straight Story」についての感想


全編を貫いて繰り返し立ち現れる「家族」についての表現には一種ありきたりな印象を受けもするが、
それが一人の人物の過去についてのイメージをとても豊かなものにすることができているように感じた。
作為的・説明的で、物語の整合性や筋の進行のためだけに存在するようなキャラクターではなくて「リアル」な感じがする。
こういう「感じ」を持てる物語と出会えるのはめったにないことで、とても良い気持ちだ。

ラストシーンで結局、老人は兄と会うことができる。
過去の軋轢や自尊心を越えて遠方から会いにきた弟を迎える兄。
横を向き、そこにあるぼろぼろのトラクターを見た兄が聞く。
「あれに乗ってきたのか」
答える弟
「そうだよ」

仲の良かった子供の頃、短い夏に星を眺めるためそうしたように、空に顔を向ける。
その淡白なエンディングが、この映画の魅力を際立たせる。

必要最小限の説明だけに切り詰めているという、この映画の描き方をもう一度思い起こさせる。
表現しないことで、より広がりのある世界をイメージさせる。

素敵な映画でした。

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